NC旋盤でステンレスを切削加工。最速長寿命でミゾ入れ加工をする方法とは

NC旋盤でステンレスを切削加工。最速長寿命でミゾ入れ加工をする方法とは

熱が伝わりにくいステンレスは、その性質を利用し魔法瓶の素材として使われています。
夏の暑い日など、いつまでも冷たいお茶に驚くことがありますよね。
本当に有難いことです。

しかし

ステンレスを切削加工するうえで、その熱が伝わらない性質が切削の難しさの原因のひとつになってしまいます。

一般鋼だと切削の摩擦で発生する熱は、素材側にも逃げてくれますが、熱が伝わりにくいステンレスだとそうはいきません。
削り始めるとすぐ超鋼チップの刃先に熱が集中して、削れなくなってしまいます。

では、どうすればいいのでしょうか?

熱が逃げにくいステンレスの切削加工では、切りくず処理のやりかたが重要になってきます。
外径荒切削だと

・高水圧で切削油を刃先にあて、その圧で熱を逃がす。

・切りくずが半巻でバラバラになるようにばらけさせ、切りくずと一緒に熱を逃がす。

この二点が必須になります。

ミゾ入れ加工のときはどうやって熱を逃がせばいいのでしょうか?

私がミゾ入れ加工で使用しているチップは、すくい角が鋭利な研削タイプの超鋼チップです。
すくい角が鋭利な研削タイプだと底面の面粗度(仕上がり具合)がとても良好で、狙った値をだすことが簡単だからです。また超鋼チップなので、回転をあげることができます。

しかし、普通に加工したのでは切りくずが長く伸び、刃に巻き付き切削油が刃先に届かなくなってしまいます。これでは熱がたまり、刃先が切れなくなり良い加工はできません。

ミゾ入れ加工はステップで

では、どうすればいいのでしょうか?
ズバリ、
ミゾ入れ加工はステップをいれます。

小さなステップと大きなステップを組み合わせて、切りくずの処理と刃先の冷却をおこないます。

・小さいステップは一回転あたり0.04mmから0.07mmで設定してください。細かく切りくずが離れてくれます。

・大きなスッテプは径で2mmから3mm毎に行うと切りくずが溜まりません。

これにより最速長寿命のミゾ入れ加工ができるようになります。
最後になるべく細いミゾ入れチップで仕上げると、良好な切削面になります。

自社YouTube

食品、飲料、医薬品や化学薬品などの製造現場で使われる部品のミゾ入れ加工は、パッキンなどが入り液漏れ防止の役目を果たします。
液漏れが時に大事故を招くかもしれません。ミゾにバリが残っている。加工面がデコボコではダメなのです。

日本の食の安心と安全のため、ミゾ入れひとつにも細心の注意が必要です。

最後まで読んで頂きまして有難うございます。

追伸
最初に書いた熱伝導の考え方、

「一般鋼だと切削の摩擦で発生する熱は、素材側にも逃げてくれますが、熱が伝わりにくいステンレスだとそうはいきません。」

この考え方は、インコネルやハステロイなど他の難削材を削る時も基本的に同じです。
熱をどうやって逃がすのかを考える事も大切です。

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