1S特殊ロングへルールの製作依頼
サニタリー溶接へルールは、食品・飲料・医薬品・化学薬品などの様々な工場の製造ラインで使われているステンレス製の継手。
今回依頼のあった特殊ロングへルールの長さは95mmとロングへルールの倍以上の長さ。
1Sへルールの標準長さは約21.5mmでロングだと約42mm。
【95mmの1S特殊ロングへルールを切削する上での注意点】
・外径φ25.4mm、内径φ23mmのストレートが95mmで貫通していること。
・薄く細長いステンレスの切削になる部分。
・薄いステンレスの切削はビビりやすいため嫌がる職人が多い。
・特にφ23mmの内径切削は細いシャンクのホルダーを最低でも100mmは突き出さないといけないためビビりやすくなる。
・ビビってしまうとバフ研磨でもビビりが残るため使い物にならなくなってしまう。
【材料に関しての注意点】
・材料はφ55mmのSUS304からの切削。
・まずφ22mmのUドリルで穴を明ける。
・続いて端面と側面を切削して端面に溝を作る。
・溝幅は専用のゲージで測り43.5mmに仕上げる。
【旋盤加工を使用するときの注意点】
・内径φ23mmの仕上げ切削は、サンドビック社製防振バーを使用する。
・最高回転数は2000を超える回転で回し、真ん中で繋げる事無く、一気に貫通させ仕上げる。
・荒加工時の仕上げ代の残し方もポイントになるが企業秘密。
こうして内外径、端面、端面溝が七色に光輝く1S特殊ロングへルールが出来上がる。